2010年8月24日
富士通テン株式会社
富士通テン(株)(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:重松 崇 資本金:53億円)は、製品の環境配慮設計(DfE)のレベルを定量的に評価できる3つのシステム(1)「LCA(*2)算出システム」 (2)「環境効率ファクター算出システム」 (3)「グリーン度評価システム」を開発しました。
部品表システムなど、既存の社内情報システムと連動させることで、DfE推進に負担となる設計者の環境負荷量算出などの工数を大幅に削減できます。
当社では、これらのシステムを製品価値向上と環境負荷低減を両立するための設計に活用し、より一層環境に配慮した製品開発を推進します。
今後、製品の企画・構想段階において、DfEの度合いを評価する枠組みを整備し、2011年度から全製品分野で運用を開始します。
(1)「LCA自動算出システム」の入力画面
左:INPUT画面で必要情報入力 右:OUTPUT画面でCO2排出量を数分で算出
当社ではこれまでも、製品環境アセスメント(*3)やLCAにより環境配慮製品の開発に努めてきましたが、現在、企画段階からの環境配慮設計「DfE」の強化に取り組んでいます。法規制値や自主基準などの一定の環境基準をクリアするだけではなく、従来の省エネ、小型・軽量化に加え、LCAや環境効率ファクターを指標とした、『更に高いところに目標を置いた製品開発』を進めるため、09年度よりプロジェクトを組織して活動を進めてきました。
今回開発した3つのシステムは、DfEを積極的に推進するために設計者の負担を最小化するためのツールです。
(1) | LCA自動算出システム<2010年3月開発完了> |
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製品の原材料の採取から製造・流通・使用・廃棄に至る、全ライフサイクルの各段階における環境負荷(当社ではCO2排出量)を算出します。 CO2排出量の換算係数をマスター管理した状態でも、手計算では約20時間かかる作業を数分で完了します。 <メリット> 部品表システムなど社内情報システムと連動させ、素材に関するLCA算出を自動化。汎用ソフトのように部品ごとの素材情報(種類、重量など)の入力の手間が省ける。 |
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(2) | 環境効率ファクター算出システム<2010年5月開発完了> |
製品の環境負荷を下げつつ、提供価値(機能・性能)を向上させることで、環境効率を上げていこうという取り組み指標を、自動算出します。 <メリット> 上記(1)のLCAの計算結果を自動反映。製品分野ごとに提供価値の算出ロジックを予めシステムに組み込んでいるほか、シミュレーション機能を持たせることで、開発目標の設定に役立てることができる。 |
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(3) | グリーン度評価システム<2010年6月開発完了> |
従来の省エネ・小型軽量化・リサイクル性の向上などの評価指標に対し、上記(1)のLCAや、上記(2)の環境効率ファクターの定量評価指標を組み込んだほか、コンプライアンス(有害物質規制)に先んじた配慮を評価に組み込んでいます。 <メリット> スーパーグリーン製品(*4)の評価判定も自動で行え、開発目標の設定に役立てることができる。 |
(*1)DfE:Design for Environment。環境配慮設計。
製品のライフサイクル全体の環境負荷低減を目的として、製品の環境負荷の全容が定まる前の、企画段階において環境負荷を可能な限り低減させることを目指すこと。
(*2)LCA:Life Cycle Assessment。
原材料の採取から各製品の製造・流通・使用・廃棄に至るまで、全てのライフサイクルの各段階における環境負荷を定量的に評価する手法のこと。
(*3)製品環境アセスメント:
量産前の段階で、法規制への適合や省エネ、省資源などの環境対応を評価する仕組み。
(*4)スーパーグリーン製品:
「省エネ」、「化学物質の含有抑制」、「3R設計・開発」の環境配慮が市場製品または従来製品より特に優れた製品。
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。
その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。