簡単・リーズナブルにドライバーの安全運転を支援。 富士通テンの通信型ドライブレコーダー「G500Lite」開発者に訊く!

VICT技術本部 製品企画室
第四製品企画チームリーダー

重松 智史(しげまつ さとし)

VICT技術本部 製品企画室
第四製品企画チーム

白石 春樹(しらいし はるき)

2016年5月に、「富士通テン」から、通信型ドライブレコーダーを使った『安全運転管理テレマティクスサービス』なるものが発表された。今、もっとも注目度の高いカーエレクトロニクス製品の1つである"ドラレコ"。どうやらこれは、その"通信型"であるらしい…。

そこまでは理解できるのだが、その先はにわかには分からない…。というわけで、兵庫県神戸市の「富士通テン」本社を訪ね、これが何であるのかを、徹底的にお訊きしてきた。

お会いしたのは、同社 VICT技術本部 製品企画室 第四製品企画チームリーダー 重松智史さんと、開発担当者の白石春樹さんのお二方。『G500Lite』という製品名であるというこれは一体、何なのか…。


一般企業の、社用車の運用においての"安全運転"支援を行う。

白石

「これをひと言でいうと、"専門知識を持った運行管理者のいない企業様において、簡単・リーズナブルにドライバーの安全運転管理が行えるもの"、です。『G500』という業務用ドライブレコーダーがすでにあるのですが、それは、タクシー会社、バス会社、運送会社向けの業務管理システムです。通信機能が備えられたドライブレコーダーを車両に装着することで、リアルタイムで車両の運行状況を把握したり、事故発生時の映像を事務所へ送信するなど、業務管理ニーズに基づいた安全運転の支援が行えるようになるんですね。『G500Lite』は、それを一般企業向けに再構築したサービスです。

一般的な企業でも、社用車を複数台持っているところは多いですよね。しかしそのような企業は、クルマの運行自体はメインの業務ではないですから、運行管理者もいませんし、ドライバーの安全運転を管理するシステムも持っていません。社用車を安全運行させる必要性は、タクシー会社等となんら変わりはないのに、です」

重松

「タクシー、バス、トラックの総台数は、200〜300万台ですが、営業車・サービス車などの業務用車両は約1,500万台以上に上ります。そしてそれらの1万台あたりの事故率は、自家用車に対して約4.5倍…。業務用車両の安全運転をサポートするサービスの必要性は高いんです。こうした背景の下、『G500Lite』は開発されることとなりました」

【G500Lite】本体・GPS同体カメラユニット・通信モジュール・ICカードリーダーがセットとなっている

次に、『G500Lite』によって何ができるのかを、かいつまんで教えていただいた。

白石

「急ブレーキや急ハンドル、車両のふらつきや前方車両との距離といった運転状況をクラウド上のサーバーに自動収集します。そこから、"個人"の運転特性を解析し、運転診断書や改善点のコメントを自動で作成したり、過去の運転データを基に改善項目と目標値の推奨値を自動で設定するなど、安全運転の計画から教育までが行えます」

重松

「運行管理者がいる会社では、システムで収集、解析されたデータを、運行管理者が自ら考えながら適正に活用していきます。しかし、一般企業ではそうはいきません。ですので、安全運転に繋げるためのデータ活用を、システム側で行えるようにしてあるんです。ここに、このサービスの神髄があるんです」

【安全運転診断機能】各ドライバーの特性を基に診断を行い、各項目を採点し、ランキングや改善点についてコメントを自動表示

【ヒヤリハット画像再生機能】車間距離や有効視野角を表示でき車間距離や速度について、より客観的な学習が可能


長年の開発で積み上げたノウハウと自信。
しかし、思いがけない壁にぶち当たる…。

ところで、ドライブレコーダーが脚光を浴びるようになったのは、ここ数年の話である。しかしながら「富士通テン」では、これを2005年から手掛けている。当初は、タクシー用としてリリースし、2006年にはバス・トラック用製品を発表。同年には市販モデルの発売も開始したが、「富士通テン」では業務用製品にもこだわりを持ち続け、2009年にはネットワーク対応の『G300シリーズ』、2012年には安全運転教育機能を強化した『G400シリーズ』へと進化させてきた。そして2015年に、初のクラウド連携型モデル『G500』を登場させている。

重松

「その中で当社は当初から、ドライブレコーダーとともに分析ツールを提供し、安全運転管理を支援してきました。今回の『G500Lite』には、その過程で培ってきたノウハウが凝縮されています。機器自体が、過酷な車載環境でも安心して使用できるように設計されていますし、データの解析、分析能力も長年かけて磨き込んできています。特に、通信を使って、動態を管理し、データ分析するという点では、当社はタクシー配車システムの開発をドライブレコーダーよりもさらに10年以上前から手掛けており、それらの脈々と続く技術の蓄積が『G500Lite』の開発のベースとなっています。一朝一夕で出来上がったものではないんですね」

白石

「しかしながら、積み上げたものがあるという自負が、今回の『G500Lite』の開発スタート時に、思いがけずへし折られました。高度な安全運転管理を支援するサービスを持っていたと考えていましたが、その概念やシステムを、一般企業の方々にも分かりやすいものとする必要性に、最初は気が付いていなかったんです。そこが、最たるハードルでした。協力していただける会社様を探し、サービス内容を煮詰めてはプレゼンさせていただいて、ご意見を相当にいただきました。そうしてようやく、当サービスを形にすることができたんです」

重松

「このように我々の部署では、各技術者は、企画からリサーチまでを自分で行い、その上で、自分で製品を開発し、納品し、そして納品後のリサーチまでも自分でやります。この仕事の流れがあればこそ、良い製品が作れるのではないかと考えているんです」

白石

「お客様の顔が見えるところに、面白みがあります。最初は伝わらなかったものを改良し、最後には納得していただいたり、喜んでいただけるとうれしいですね。そこがやり甲斐です。ただ、けんもほろろに帰されるときは辛いのですが(笑)。でも、だからこそ、喜んでいただけたときのうれしさがあるんですよね」

メインカメラはミラー裏に設置。100万画素、水平110度×垂直70度の画角性能を持つ

手前がシステムの核となる本体。振動、高温など過酷な車載環境に対応。奥に見える白いユニットはICカードリーダー


"データを残すこと"にこだわり、
それを分析、解析して、社会に返す。

最後に、『安全運転管理テレマティクスサービス』の未来についてお訊きした。

重松

「当社では、"人"、"クルマ"、"社会"のデータをつなぎあわせて、新たなモビリティライフを提供するサービスを「Future Link(フューチャー リンク)」と命名し、積極的に推進しています。それを自分たちが引っ張っていくんだ、という気概を持って、今後も『安全運転管理テレマティクスサービス』を進化させていきたいです。

我々がこだわっているのは、"データを残すこと"。データをどんどん集めることでビックデータになり、それを分析、解析して社会に返す、というところを目指していきたいと考えています」

白石

「今回のサービスでも、利用者から送られてくる画像を解析し集めた"ヒヤリハット"地点のデータをマッピングし、この情報を事故防止につなげていただけるよう、さらなるサービス向上を図っていきます」

重松

「ドライブレコーダーは、ようやく認知が進んできたところです。これをどう育てるか、自分たち技術者がどう導けるか…。そこを熟考しながら、今後も、ドライブレコーダーを進化させ続けていきたいですね」

現在、『安全運転管理テレマティクスサービス』は企業用のサービスであるのだが、コンシューマー向けの製品にも、当技術を活用していくことが検討されているという。ドライブレコーダーは、今後もさらに発展していく、とのことだ。未来のドライブレコーダーがどのようになっているのか、興味は尽きない。

《太田祥三》

本コンテンツは自動車WEBサイト「レスポンス」に掲載されたタイアップ記事を転載しています。

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